はじめに
海岸でよく見かけるようになってしまった小さなプラスチック片。将来世代に少しでもきれいな海岸、きれいな海を残したい。この思いで始めた海岸のプラスチック片拾い。
数回やって感じたことは、砂に混じったプラスチック片を拾い集めることは、想像以上に大変だということ。同時に、ものすごく強い空虚感に襲われる。終わりが見えない活動。無力感や徒労感、悲哀や絶望、憎悪や憤慨、後悔や罪悪感など、複雑な感情が一気に脳内を駆け巡り、胸を突き破って時空を超えていく。
そんな中でもポジティブに感じられることもあった。次から次に見つかるプラスチック片拾いは、没頭できる点で楽しく、解決の一歩を踏み出せているという肯定的な感覚も得られる。
ポジティブに感じられることがあっても、1人は非力なので、多くの仲間を増やしていきたい。その切っ掛けになればと私なりに考えた、効率良くプラスチック片を拾える方法を紹介します。現時点、私が考える中で最も効率的だと思います。名付けて、「海水分離式プラスチック片収集法」。
これまでに行った方法
まずは、これまで試した方法について触れつつ、現時点考える最も効率的な方法を紹介させていただきます。
◆手で拾う
⇒ 道具不要で、身一つで海岸に行けばプラスチック片を拾えます。砂浜のプラスチック片は、一度海に流れたモノが打ち上げられていることから、素手で触っても汚れない点も、気楽に始められる方法です。
◆手作りトング/お箸で拾う
⇒ プラスチック片を素手で拾うのは意外に難しい。優しく拾わないと、砂に埋もれてしまいます。そこで、まずはお箸。食事の感覚でつまめるので、やりやすいのです。ですが、箸の先端が点なので、多様な形のプラスチック片を拾うには、多少の器用さが必要でした。そこで、割り箸 & 洗濯ばさみ & 輪ゴムを材料に、手作りトングを作りました。先端が線や面になるので、お箸よりも楽に拾い上げることができると感じました。
◆ざるを使って拾う
⇒ すくう感覚で拾います。ざるの目より細かい砂は落ちてくれるので、砂利の中からプラスチック片を抜き取る感じです。手作りトングやお箸の場合は、一つずつ拾うのに対して、ざるの場合、ざっくり砂をすくい上げればよいので、砂の内部に隠れたプラスチック片も回収できます。ですが、砂利の中からプラスチック片をつまむのは、意外に難しいです。ちなみにざるの目は、粗くもなく、特別細かくもなく、一般的に出回っている目の粗さのモノで大丈夫です。
◆ざると刷毛を使って拾う
⇒ ざる単体では、砂利の中からプラスチック片を拾い上げるのが難しかったので、板を準備しました。ざるで細かい砂を落とした後、プラスチック片と砂利を板の上に乗せ、板上でプラスチック片と砂利に分けていきます。この時、刷毛を使いました。砂利と分離する際の刷毛さばきが求められるところが難しかったです。恐竜の骨や遺跡の発掘でもしているように感じられたところは楽しかったです。
◆ざると水を使う
『海水分離式プラスチック片収集法』
⇒ 現時点で最も効率よくプラスチック片を集める方法です。上記同様に、一般的な目の粗さのざるを使い、細かい砂を払い、砂利混じりのプラスチック片を収集します。次に、海水を貯めた容器に投入します。海岸に落ちているプラスチック片は、一度海に流れ出たモノがほとんどなので、水に浮きます。浮いたプラスチック片を、目の細かいざるを使ってすくいます。
3枚目の写真は、5回ほど繰り返したことで回収できたプラスチック片です。プラスチック片を1つ1つ拾わないので、多くのプラスチック片を一気に回収できます。
足を濡らさずに水をくむのは若干難しいですが、海岸だけあって、水はたくさんあります。
回を重ねながら、楽に、効率よく、プラスチック片を集める方法を考えています。そして、水を使った方法にたどり着きました。
直近の改良ポイントは、水の汲みやすさと汲む回数を減らすために、中サイズ程度のバケツにすること、それと足を濡らさずに水をくむ方法を模索したいと思います。
そして将来的には、少し大掛かりな装置でも、もっと効率よくたくさんのプラスチック片が回収できれば良いなぁと感じました。
※あくまでも海岸に落ちているプラスチックに対して有効だと考えています。海には、浮いているプラスチック片もあれば、多くは沈んでしまいます。一般市民が出来る活動としては、海岸でのビーチクリーンやプラスチック片拾いかと思います。
お願い
ご興味を持って頂けた方で、ご協力いただける方がいらっしゃいましたら、是非ご一緒に、もっと効率よくたくさんプラスチック片が拾える装置!?を開発させていただけると嬉しいです。ご連絡をお待ちしております。
関連情報リンク
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