海岸でマイクロプラスチックを拾ったり、街でポイ捨てごみを拾うことも大事ですが、根本原因であるプラスチックの使用量を削減していくことが必要です。しかし、これほどまでに生活の一部となっているプラスチックを削減することは、一筋縄ではいかない。
チマチマした行動かも知れないけれど、塵も積もれば山となるという意味で、一般市民にできることを紹介していこうと思う。
プラスチック使用量の削減へ
身の回りにプラスチックが溢れる現代。軽くて、安くて、それでいて丈夫で、衛生的。成形性が良く、種種の機能追加ができるなど、利点の多いプラスチック。しかし、昭和、平成、令和の時代を通して、使用時の利便性に重点が置かれ、焼却による二酸化炭素の増加、自然環境に放出されたことによる健康への潜在的な影響懸念など、使い捨てられた後の影響は考慮されてきませんでした。
便利なプラスチックですが、後世に住める地球環境を残していくためには、積極的に使用量を削減するチャレンジが必要です。
ポイント
1)プラスチック使用量の削減につながること
2)地球環境に優しいこと
脱液体
ひとつの取り組みとして始めたのが、洗濯にまつわるアクションです。液体洗剤は、必ずと言っていいほど、プラスチック容器に入って売られています。量り売りがあればプラスチック使用量を削減できると思うのですが、現状そうはなっていません。一方、粉末洗剤は紙の箱に入れられて売られています。洗濯洗剤を液体から粉末にしていくことで、プラスチック使用量を削減できます。
洗濯に限らず『 脱液体 』は、他でも有効です。プラスチック使用量を少しでも削減し、地球環境の劣化を少しでも抑制できればと思います。
+α ~ 重曹の力
「脱液体」は、プラスチック使用量を削減することに有効です。しかし、急に変えることが難しい場合、徐々に変えていくことが有効です。
洗濯の場合、メインの洗剤を変える前に、サブ的に使用している衣料用漂白剤などを粉末に変えていくことから始めてみてはどうでしょうか。徐々に変えることで、少しずつ慣れていけると思います。お勧めは、液体の衣料用漂白剤を重曹に変えることです。
個人的な感想になりますが、これまで使っていた液体の衣料用漂白剤は、期待するほどの汚れ落ちや臭い落ちの効果が得られませんでした。そのため、汚れのひどい洗濯物は事前に手洗いをし、臭いが気になる洗濯物は事前に煮沸をしていました。しかし、重曹は違いました。驚くほどの臭い落ちと洗浄効果。洗濯前の漬け置きは必要ですが、洗濯後の満足度が高くなりました。先人の知恵は凄いと思いました。
ちなみに、重曹はお湯がポイントです。水道水でも pH 8.2程度 のアルカリ性になるようですが、100℃ のお湯を使うと pH 11程度にまでアルカリ性が強くなります。お湯で溶かした重曹水に1時間程度漬け置くと、効果が得られると思います。
※衣類の洗濯ラベルに沿って、色落ち等を確認しながら行ってください。
脱液体への期待される効果 & 期待したい効果
脱液体によりプラスチック使用量が下がれば、海洋へ流れ出るプラスチックごみの量も減少し、廃棄焼却による二酸化炭素量も削減できる。そして、プラスチック必要量が減ることで、石油使用量も減少できる。良いことがたくさんありそうです。
さいごに
洗濯洗剤の変更事例を通して改めて感じたことは、なんらかの型にはまっていると、その型自体に気づくことが難しく、崩すには何らかのきっかけが必要だということです。
洗濯機は、目的を達成できない家電製品として語られます。その洗濯機で、かすかな期待をよせて、効果の期待できない衣料用漂白剤をパブロフの犬のように洗剤と一緒に投入し、とある時間がたった後の結果に一喜一憂する。
洗剤を変えたり、洗濯時間を変えたりすることはあっても、基本モノ任せ。問題の根本解決に向けて考えることや、行動することは少ないように感じます。
きっと、脳の自動機能として省エネ化が図られているからだと思います。逆を言うと、考えることはエネルギーが必要なので、意図的に、積極的に、能動的に考えることを心掛けないと、無意識のうちに考えないようになり、結果として怠惰な方向へと向かっている気がします。
洗濯洗剤の話と、海洋プラスチックごみ問題や地球温暖化、気候変動とは一見関係がなさそうに感じますが、つながりを考えることができれば、行動も変えていけると思います。
これからも模索は続きます。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました