今回の燃費改善テーマはスピードです。
リマインド
1) 燃費改善は、財布に優しいだけでなく、地球環境にも優しい!
2) クルマの3大機能「走る」「止まる」「曲がる」の中で、燃費に直結しているのは ”走る”。如何に走らせるかが燃費改善のポイントです!
スピードを抑えて燃費改善
今回お伝えするのは、スピードを抑えた走行は燃費改善につながっているというシンプルな話。
クルマは、走行抵抗以上の力を発生させることでスピードが上がります。 平坦路の走行抵抗は、ころがり抵抗+空気抵抗 です。ころがり抵抗はスピードによらず一定で、空気抵抗はスピードが上がるほどに増加していきます。
例えば、市街地に多い 40キロ制限の道を走行する場合は、ころがり抵抗 > 空気抵抗 となりますが、郊外路で 60キロ程度のスピードで巡行走行している場合は、ころがり抵抗 ≒ 空気抵抗 となり、高速道路などで 80キロ以上 出している場合は、ころがり抵抗 < 空気抵抗 となります。
つまり、スピードを出すほど空気抵抗が増した分、走行抵抗が増えるので、走行に必要なエネルギーが増えることで、消費する燃料は多くなります。
ということで、今回お伝えしたいことは ”スピードを控えた運転をしましょう” です。
(※小難しい話は意図的にはしょりましたが、蛇足にて補足させていただきます。)
ご注意願います!
公道を走るクルマは、種類も違えば、性能も違います。また、出発地&目的地も違い、ドライバー心理状態も様々です。そういった交通環境の中で、燃費のことまで考えることが難しい場合は、迷わず安全を優先してください。
・安全が最優先!
・過度にスピードを抑えた走行は、周りのクルマの迷惑になるので避けましょう!
蛇足
燃料消費量と燃料消費率(=燃費) は異なります。感度の高い方やエンジニアの方はお気づきかと思います。エンジンやモーターは、回転数と負荷に応じて効率が異なります。つまり、効率の良い条件を狙って走行すれば、燃費(=燃料消費率) は上がります&上げられます。しかし、燃料消費量が増えてしまっては、お財布にも地球環境にもよくありません。
例えば、2地点間の移動の場合、市街地を通る最短コースは10km、遠回りで高速を通るコースは20kmとします。最短ルートで行った場合、0.5L の燃料を使用し燃費 20km/L でした。一方、遠回りルートは、0.8L の燃料を使用し燃費 25km/L でした。遠回りした方が燃費値が良くなるのですが、使用する燃料量は最短ルートの方が少なくて済みます。
最短ルート (市街地) | 遠回りルート (高速) | |
走行距離 [km] | 10 | 20 |
使用燃料量 [L] | 0.5 | 0.8 |
燃費 (燃料消費率) [km/L] | 20 | 25 |
掛かった時間 [min] | 30 | 20 |
平均スピード [km/h] | 20 | 60 |
有料道路代 [円] | 0 | 1000 |
”燃費” という広くわかりやすい言葉をタイトル等で使用したことで、少しややこしくしてしまっているかも知れませんが、上記例における2地点間を移動するという目的においては、お財布にも地球環境にも優しい選択肢は、最短ルートということになります。