久々の投稿です。これまでの投稿と同様に今回の情報も参考にしていただき、持続可能な社会の実現に少しでも近づけたらと思います。
マイクロプラスチックによる人体影響
これまで体内からの発見事例は多くあったものの、具体的な人体影響が示されていなかったマイクロプラスチックですが、最新の研究で、マイクロプラスチックが心臓発作や脳卒中をリスクを高くする可能性があるという結果が公表されました。
イタリアの研究チームが発表した内容によると、心臓から脳へ血液を送る血管=頸動脈 (けいどうみゃく) の壁にできたプラーク (=コレステロールなどの塊) を切除し分析した結果、257人中150人の患者のプラーク内から、ポリエチレンや塩化ビニルといったマイクロプラスチックが検出されました。
ここまでなら、これまで同様に体内からマイクロプラスチックが見つかったという報告なのですが、この研究の凄いところは・・・
さらに、
それらの患者の術後 34週の追跡調査をした結果、プラーク内にマイクロプラスチックが検出された患者の方が、そうでない患者に比べて、 4.53倍 心筋梗塞や脳卒中で死亡する確率が、高いことが分かりました。
直接的な因果関係であるとまでは言及はされていませんが、健康影響を及ぼしていることを強く示唆した論文となっています。
そのことが論文の最後に、「頸動脈プラーク内から検出されたマイクロプラスチックを有する患者は、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高いと示しつつも、患者の普段の生活におけるPM2.5などのマイクロプラスチック以外の暴露リスクによる可能性も考えられることから、マイクロプラスチックが直接的な死因の因果関係を示すものではなく、一般化できない」と示されていました。
原文はこちら
Microplastics and Nanoplastics in Atheromas and Cardiovascular Events
いずれにしても、マイクロプラスチックによる健康影響については研究が始まったばかりで未知のことが多いのが現状です。これからも最新の研究結果に注視していくとともに、添加剤を含むプラスチックによる人体影響についても、こちらで紹介していこうと思います。
ちなみに、プラークは血管径を小さくすることで血流を悪くし、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす原因があると言われています。
これまでの共有ネタ
こちらでは、体内からマイクロプラスチックが検出された事実についてお伝えしたにとどまっており、健康被害についての具体事例までは踏み込まれていません。
◇プラスチックに含まれる添加剤の有害性や環境ホルモンとしての振る舞い
こちらでは、プラスチック添加剤が健康に影響する懸念についてお伝えしましたが、具体的な影響については分かっておりません。