入れてますか? タイヤの空気
今回はタイヤの空気圧です。
お伝えしたいことは、タイヤの空気圧を適正に入れましょう! です。
このフレーズから単に空気を入れて頂いても全く問題はないのですが、せっかくなので世界の知も共有させていただき、タイヤ空気圧に関するウンチクにでもしていただければと思います。
「クルマの燃費~その2 スピードを上げすぎない」 で登場したこちらのグラフを使って説明したいと思います。クルマが走行しているときは常に、走行抵抗が掛かっています。タイヤの空気圧は、”ころがり抵抗” と関係があります。
ころがり抵抗は、どのスピード域でも影響しているので、みなさんにやっていただきたい燃費改善対策です。是非この機会に!
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ちょっとイメージしてみてください。空気の抜けたタイヤでクルマを走らせることを。
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タイヤがたわみ、接地面が広くなり、いかにも抵抗が大きくなっている様子がイメージ(※1)できたでしょうか。
実際、タイヤ空気圧が下がった状態で走行するとタイヤの抵抗が増加します。その状況を示したのが下記グラフ(※2)です。こちらのグラフも上記グラフと同様に、縦軸; 走行抵抗 [N]、横軸; スピード [km/h] です。実験内容は、タイヤ空気圧違い 3種類 25psi (約170kpa)、35psi (約240kpa)、45psi (約310kpa) で、スピード毎に走行抵抗を計測した結果となっています。
出所: A Relationship between Tyre Pressure and Rolling Resistance Force under Different Vehicle Speed より
※グラフをクリックすると参照元資料が開きます (グラフは右上 PDF (287 KB) 本文より)
この結果から、空気圧が高い場合、走行抵抗は小さくなり、空気圧が低い場合、走行抵抗は大きくなります。クルマ毎でタイヤ仕様や指定空気圧が異なりますが、タイヤ空気圧が走行抵抗に影響する現象は、すべて共通です。こまめにタイヤ空気圧をチェックし、指定空気圧を入れるようにしてください(※3)。
また、この結果からは、タイヤ空気圧と走行抵抗の関係が比例でないことも分かります。空気圧上げ分に対する走行抵抗の下がる感度が鈍っています。燃費に効くからと言って、タイヤ空気圧を上げ過ぎると、乗り心地の悪化や、タイヤ性能が発揮できなくなることで思わぬ事故にもなりかねません。あくまでもメーカー指定の空気圧でお願いします。
※1 ランフラットタイヤは見た目で空気圧が抜けていることに気づきにくいです。
※2 タイヤ空気圧以外のクルマの条件はすべて同一です。
※3 タイヤが冷えた状態(≒走行前相当)で空気圧調整を行ってください。
リマインド
1) 燃費改善は、財布に優しいだけでなく、地球環境にも優しい!
2) クルマの3大機能「走る」「止まる」「曲がる」の中で、燃費に直結しているのは ”走る”。如何に走らせるかが燃費改善のポイントです!