時によって「知らない」ことは怖いことかも知れない。ただし、積極的に知らなくて良いこともある。
プラスチックによる健康被害が報告されていない状況において、プラスチック製品との接点を下げていくことは、過度な対応と言われるかもしれない。それでも、起きている現実を踏まえて、個人努力で出来る何かがあるのだとしたら、やれることをやっていこうと思う。
個人努力でできること
① 食品ではないもの=プラスチック を口にする頻度を下げること
② 石油製品への依存度を下げること
③ より長く使えるものを積極的に採用していくこと
など
これらを実践することで、健康影響の懸念を低減し、地球環境への負荷軽減などに貢献できると考えたので、どのご家庭にもあるタッパー ( 以降、プラスチック容器と表記 ) をプラスチック製ではない製品へシフトすることをお勧めしたい。
我が家の状況
作り置きのおかず、ご飯、お味噌などの保存や、調味液に浸して調理する際にも重宝する食品保存容器は、生活に欠かせません。
我が家でも、形や大きさの異なる数々のプラスチック容器を使っていました。日々使いまわしているものから、たまにしか使わないものまで。そして、それらの多くが、10年以上使用し続けていることにも気づきました。
見直す切っ掛け
簡単に壊れるものでもないので、かなり長い期間、使い続けられるというイメージを持っていました。それが、プラスチック容器に入った食品を電子レンジで温めると、大量のマイクロプラスチックがプラスチック容器から放出されていたとは・・・まさかの事実でした。
”わたしたちはプラスチックを食べている” の中で、電子レンジに入れたプラスチック容器からマイクロプラスチックが放出される実態に関する報告書を紹介しました。
この報告書を読んだ後、我が家で使っていたプラスチック容器をよく見ると、細かい傷が多く付いていました。それらの傷からかどうかは分かりませんが、電子レンジを使用する度にマイクロプラスチック片が食品中に放出されていたかと思うと、気持ちよくない感じがして、容器の素材をプラスチック以外に変えていくことにしました。
また、これは憶測ですが、プラスチック容器の底面に記載されている耐熱温度内であっても、冷凍したり熱湯を注いだりを繰り返していると、きっとマイクロプラスチック片が少なからず放出される懸念があると思いました。
ガラス製容器へ
使用頻度が高かったプラスチック製の容器から順に、ガラス製容器へ買い替えを始めました。密閉できるものを探すと、蓋がプラスチックのものしか探せなかったので、電子レンジを使用する際は、蓋を外すようにしています。
武骨で重みのあるガラス容器の扱いに最初は馴染めませんでしたが、電子レンジにしても、熱いものを入れるにしても、ゴシゴシ洗うにしても、容器自体からプラスチック片が出てこないと思うと、安心感が増しました。
※プラスチック容器からマイクロプラスチックが放出されているとうことは、人体への影響だけでなく、自然界にも放出されていることも視野に入れて考えたいです。下水に含まれるマイクロプラスチックは、多くが下水処理場で汚泥として回収されていますが、一部は海洋放出されているそうです。容器に限らずプラスチック使用量を削減していくことと、プラスチック製品との付き合い方を考えたいですね。
世界保健機関 WHO の見解
ボトル入り飲料水と水道水に焦点を当てたWHOの見解が報告されたのは2019年8月のことです。「飲料水を介したマイクロプラスチック粒子への曝露に関連する明らかな健康上の懸念を示唆するデータがないことから、マイクロプラスチック粒子の摂取に関連するリスクについての確固たる結論はまだ決定できない。」となっています。
WHOは、環境中のマイクロプラスチックの存在を認識し、潜在的な人間の健康リスクに対する懸念を持っていることから、マイクロプラスチックの物理的な危険性、マイクロプラスチックに含まれる化学物質による影響、マイクロプラスチックに付着する微生物による健康リスクといった視点で調査を行いました。しかし、調べ得る情報から、飲料水中のマイクロプラスチックによる健康上のリスクがあるとは言えませんでした。ですが、情報不足の認識から、環境中のマイクロプラスチックと人間の健康への潜在的な影響のさらなる評価を求めています。また、世界的なプラスチック汚染の増加を食い止める必要があるとも述べています。
詳細はWHOのこちらの資料に記載されています。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。